院長のお勧め本②
2021/05/03
院長のお勧め本②
「人新世の資本論」 集英社新書 斎藤幸平著
院長のお勧め本②
「人新世の資本論」 集英社新書 斎藤幸平
この本もベストセラーということで、是非とも読みたくて購読しました。 内容は少し難解な部分があるものの、説得力ある論拠がどんどん示され、自分としてはしっかりと腑に落ちました。 現代は「人新世」(ひとしんせい)という「人類が地球を破壊し尽くす時代」に突入し、地球の気候変動を食い止めるために待ったなしの状況です。 国連が提唱するSDGsをはじめ、対策が講じられ始めましたが、資本主義の際限なき利潤追求を止めなければ、人類の歴史が終わってしまうという切迫感を強く感じました。 そして人類が目指すべきシステムとは? 地球を「持続可能な管理」に置くためには“脱成長”しかない、それは“生産至上主義”との決別が必要で、世界のあちこちでそれを目指す動きがどんどんと育ち始めていることが示され、希望の光を感じました。 なお、「マルクス理論」が実は広く誤解されていたことも理解できました。 マルクスはソ連はじめ、今までの社会主義国家のようなものを目指してはいなかった! マルクスは資本主義の行き着く先が環境破壊・人類の終焉に行き着くことを予期し、そのための指針を示していたのです! これからの時代、地球が潰れてしまう前に人類が目指すべき方向性が、書き記されている名著と思います。